潜水艦の歴史
参考資料ー世界の艦船 日本潜水艦史「増刊第37集」より
    大正8年春呉付近で試験運転中の第19潜水艦(後の呂号第11)
海中1型(呂11型) KAICHU TYPE 1
海中1型は、大正5年フランスから輸入した複殻構造のS型をタイプシップとし、これに独自の改良を加えた艦隊用潜水艦である。大正5年度計画で2隻計画され、最初は海軍中型の総称のなかで19型と呼ばれていたが、大正12年6月、潜水艦艦型の呼称統一の際、海中1型に分類された。海中1型の特長はスイス製のズルザー式2号ディーゼルの採用により水上速力の増大を狙ったことで、公試運転ではディーゼル潜水艦として世界最高水準の19ノットをマークした。45センチ発射管を艦首に4門、上部構造物内に2門装備し、S型より攻撃力を50パーセント増大した強兵装鑑である。大正8年に2隻揃って竣工したが、就役後は機関のトラブルに悩まされ、大正10年6月に実施した連続行動距離3,000浬の台湾方面長期巡航訓練では両艦とも途中で落伍している。この時期、艦隊に随伴できる高速潜水艦の実現は各国の夢だったが、日本海軍も本型をスタート台にして困難なその開発に着手したのである。

呂号第11 RO11
大正5年度計画、構造所呉工廠、大正8年7月31日竣工、第19潜水艦と命名、二等潜水艦に類別、大正13年11月1日呂号第11と改名、昭和7年4月1日除籍。
呂号第12 RO12
大正5年度計画、構造所呉工廠、大正8年9月18日竣工、第20潜水艦と命名、二等潜水艦に類別、大正13年11月1日呂号第12と改名、昭和7年4月1日除籍。廃潜水艦第1号と仮称。
要目(新造時の呂号第11を示す)
排水量 720トン(水上)/1,030トン(水中
全長 69,19m
最大幅 6,35m
吃水 3,43m
機関 ズルザー式2号ディーゼル2基、2軸
出力 2600馬力(水上)/1200馬力(水中)
速力 18,2ノット(水上)/9,1ノット(水中)
燃料搭載量 重油60トン
航続力 10ノットで4,000浬(水上)/4ノットで85浬(水中)
兵装 短8cm単装高角砲(隠顕式)1基、45cm魚雷発射管4門(艦首)、同2門(水上)、
魚雷搭載数10本
安全潜航深度 30m
乗員数 46名